好評企画第2弾!!
 金正日バッヂ、真贋の見分け方

 さて、金日成バッヂのニセモノについては前回触れたとおりだが、最近気になっていることがある。
 それは金正日バッヂのニセモノに、大変よくできた巧妙なタイプが大量に出現したことである。私はあまり金正日バッヂには強い関心を持っていないので詳しいことはわからないままなのだが、初めてこのタイプを見かけるようになったのは、2003年夏頃であったと記憶している。今ではネットオークションを初め、いろいろなところで見かけるようになった。
 ここでは、金正日バッヂの各種ニセモノを紹介し、金正日バッヂの真贋を見分けるための情報を提供しよう。


ホンモノより早く流通した?ニセモノ金正日バッヂ

 「中国で金正日バッヂ発見」という報道を初めて見たのは、1997年頃のことだったと思う。残念ながら失念したが、ある写真週刊誌でその記事を見たことを覚えている。だが、その記事を見た私は、それがホンモノであることに強い疑いを抱いた。掲載されていたのは、円形の何の変哲もない金正日バッヂであったが、中国で見かける金日成バッヂのニセモノに、雰囲気が酷似していたためである。
 しかし、それから1年ほどのちの1998夏、今度こそ疑う余地のないホンモノがマスコミ誌上に登場した。それは、かつて某写真週刊誌で見かけたバッヂとはまったく異なるもので、いずれも労働党旗型バッヂであった。初めて見た写真週刊誌のバッヂはニセモノに間違いないと、今では確信している。
 もし私の推測が正しければ、日本では金正日バッヂはホンモノより先にニセモノが流通していた可能性がある。まずホンモノがあって、それを真似たニセモノが出現する通常のパターンとは逆で、金日成から体制を引き継いだ金正日ならではといえるであろう。

 さて、1998年、今から6年前のことだ。中国東北地方の某都市を訪れた私は、たまたま広場(というかただの空き地)で開催されていたノミの市に遭遇し、何かおもしろいものはないかと物色していたところ、小型の金日成バッヂをひとつ発見した。それはすでに所有しているタイプのものであったが、おばちゃんに値をたずねると安かったので言い値で買った。すると、おばちゃんが「あんた、金正日のバッヂは要らない?」と聞いてきたのだ。当時はまだ金正日バッヂはほとんど流通していない時代だったので、私は興味をひかれ、ぜひ見たい、と言った。すると店のおばちゃんは「少し待っててくれ」と私を置いて自転車でどこへやら去ってしまった。しばらくすると息をはずませながら戻ってきて、ひとつのバッヂを私の手の中に置いた。だが、それは一目でわかるニセモノで、取りに行ってくれたおばちゃんには悪いなと思いつつ、結局買わなかった。
 今思えば惜しいことをしたもので、今ではあの時見かけた「黒縁セル眼鏡をかけてほほえむ若々しい金正日のニセモノバッヂ」は見あたらなくなってしまった。ニセモノにも流行があって、気がつくとなくなっていることがよくある。どうせ安かったのだし、買っておけばよかった・・・と後悔している。

 ニセモノとホンモノを分析する

 能書きが過ぎたので本題に入りたい。今、私の手元にあるニセモノ金正日バッヂは3種類しかないが、細部にわたって特徴を検証する。
 タイプ1:直径20mm。若い頃の肖像に見える。ネクタイ背広姿。プリントした染料のせいか、色が染み出し、全体ににじんでしまっている。裏面はザラザラがなく、平らである。
 タイプ2:同じく直径20mm。タイプ1よりも印刷はクリアで、全体的雰囲気はよくできている。だが、ホンモノに比べれば、やっぱり細部の印刷は全然ダメである。裏面はザラザラにしてある。
 タイプ3:19×26mm。肖像部はタイプ2と酷似しており、同じところで作られたことを示している。よくできているなあと感心するのは、特に肖像周囲の赤い部分で、色合いといい質感といい、2,3m離れて見たらホンモノと判別つかないくらいだ。労働党徽もクリアに描かれている。ただし、党徽がやや大きく、またホンモノとは色が異なる(ホンモノは金色に輝いている)。それと、ホンモノに比べると微妙に肖像がぼやけているようだ。

 また、それぞれの共通点として、ピンを通す部分のツクリが、ホンモノとまったく異なることに注意して欲しい。
 2つの突起に孔をあけてピンを通している。このことについては、「金日成バッヂ、真贋の判定」でも指摘したことなので繰り返さない。

〜ニセモノ3タイプを紹介〜

タイプ1 タイプ2 タイプ3








 〜一方、ホンモノはこちら〜

 タイプ3と比較してほしい。旗型の枠の形が微妙に異なるのがわかるだろうか。ホンモノのほうが、微妙に丸みを帯びている。党徽の色、大きさ、肖像のクリアさも微妙に異なる。
 金日成バッヂの真贋の項でも触れたが、やはり裏面のツクリが大きく異なっている。ピンを通す突起の幅が、ホンモノでは太い。横から見てみるとツクリの違いは一目瞭然だ。製造工程(機械)の違いによるもので、表面の色などをどれほど似せても、この形を真似るのは至難であろう。

 タイプ2と3については、現在大量に(中国で?)生産されているようだ。日本にもたくさん入ってきており、某ネットオークションなどでもたくさん出品されているのを見かける。念のため言っておくが、中国では日本円にして100〜130円ほどで売られている。「中朝国境で買った」などと吹聴する人もいるようだが、どこで買おうとニセモノはニセモノ。ポイントをしっかりチェックし、真贋の判定はシビアに下したい。

 ただ、最近私としては、ニセモノもひととおり集めておかなくちゃな・・・という気分になっているのを申し添えておく(笑)。なくならないうちに。