国旗勲章(3級)のバリエーション
ここでは、3級の国旗勲章をとりあげ、そのバリエーションを探ってみたいと思う。大きさ、基本的な形自体は変化ないものの、材質、構造、細部には大きな違いがあるのがわかる。
左のものほど古いタイプと思われる。
現在、当委員会では以下の5種類を確認している。
(なお、裏面のシリアルナンバーについては、判読可能なものについては一部画像処理を施してあるので御了承されたい。このような配慮が取り越し苦労であることを切に願う。)
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| 1 (太ネジタイプ) |
2 (細ネジタイプ) |
3 (横ピンタイプ) |
4 (縦ピンタイプ、ナンバー付き) |
5 (縦ピンタイプ、ナンバー無し) |
| スクリュータイプ1と2。 同じスクリュータイプながら、この2つには大きな違いが見られる。 便宜上、ここでは1を「太ネジタイプ」、2を「細ネジタイプ」と仮にしておく。 まず、表面について。表面の違いはかなり微妙であり、2つ並べてみれば違いがわかるが、そうしない限り2つのタイプの違いを表面だけで判断するのはやや困難かも知れない。 @中央の七宝部分だが、1の方がやや朱色がかった明るい赤で、2はそれに比べ深みのある赤色である。 1の方が赤色が明るいため、地の光芒線がより鮮明に見て取れる。 A中央の金星部の盛り上がりが、1の方が低く、2の方が高い。 B周囲に5つ付いた縁飾りの「3つの丸」が、微妙に2の方が大きい。 裏面について。 裏面にはかなり大きな違いがあり、実際に判断する際にはひっくり返してみれば一目瞭然である。 @一見して気づくのは、ネジの太さの違いである。1のネジは直径3.7mmもあるのに対し、2では2.5mm。 A「朝鮮国旗勲章 第3級 第_号」とハングルで記されているのだが、字の大きさが全く違う。 また、「第3級」の「3」が、1ではハングルで、2ではアラビア数字で書かれている。 より新しいピンタイプではアラビア数字が採用されており、1の方が古いタイプであると推測される。 B窪みの形の違い。1では円型、2では星形と円型の2つが組み合わさっている。 また、その他の違いとしては、全体に1の方が肉厚であり、こころもち重い。 材質は同一と思われる。 |
次に古いと思われる横ピンタイプ。 本体は、これも完全に一体成形である。 裏面をみると丸い縁飾りの裏にわずかな窪みがあるのがわかる。他のタイプには見られない特徴だ。 |
現形の縦ピンタイプ。 シリアルナンバーが刻印されている。 構造上にも変化が表れ、中央の赤・青の10角星と5角金星部分は別パーツであり、本体にリベット留めされている。 |
さらにシリアルナンバーの省略されたもの 古いタイプでは下にあった「第_号」という字ももはや存在していない。 材質的にも4から変化があったものか、表面のメッキはキラキラ白銀色に輝き、メッキがはげた部分がなぜか黒く見えるのが特徴だ。材質は何だろう? 中央部が別パーツになっているのは3と同じ。 |
|
|
こうして改めて列挙してみると、国旗勲章と一口に言っても、同一階級の中にさえ様々な種類があることがわかる。 2種類のスクリュータイプの国旗勲章は、入手するまでは、正直言ってこれほど出来が良いものとは思わなかった。 印象を言えば、「端正」な雰囲気が漂うのである。古いものなので若干摩耗もあるが、材質のせいか古びてはいても汚い感じがせず、成型はシャープで七宝の色も美しい。安っぽい感じをまったく受けないのである。国旗勲章の製造はソ連で始まったとされるが、そのせいかも知れない。新しいピンバックのタイプと形はほとんど同じにもかかわらず、受ける印象が全く異なるのには驚いた。 さて、スクリュータイプと、現行の縦ピンタイプの相違について改めてチェックしてみよう(上図1・2と3・4の比較)。 @スクリュータイプは一体成形で、ピンタイプはリベット留めされた3パーツ構造(中央の金星、その周りの10角星部分、そして台となる部分)。 Aスクリュータイプは銀質(ゆえにやや黒ずんでいる)で、ピンタイプは銀メッキ(古くなるとメッキのハゲが見える)。 Bスクリュータイプでは隆起が比較的低く、それに比べるとピンタイプは中央が高く盛り上がっている。 Cスクリュータイプでは、本体の肉厚がピンタイプのものに比べ、やや薄目である。 D全体的な形が微妙に異なる。周囲を飾る3つの○の配置や大きさなど。 余談ながら、新しい縦ピンタイプのものの裏を加工し、すなわちピン留め部を削り、真ん中にネジを溶接し、強引にスクリュータイプに仕立て、古いものに見せかけた出来の悪いフェイクが稀に見られるが、上述のように、細部には相違点がかなりあり、知っていれば見間違える心配はないだろう。 当然のことながらスクリュータイプのほうが価格がずっと高く、もはや有り余るほど流通している現行タイプのものに比べ、私見では5〜10倍くらいの価格差があるようだ。事情に疎い国内業者の中にはこの辺の違いが理解できず、いまだにつまらない新しい国旗勲章に1万〜2万円もの値札をぶら下げているところもあり、業者の無知ぶりには目を覆うばかりである。気をつけたいものである。 |
細部をチェックする
![]() |
![]() |
| 2 | 4 |
| 2(スクリュータイプ)と4(縦ピンタイプ)の中央部をクローズアップした画像である。 七宝の色が微妙に異なることがわかる。 七宝の質が異なるため、2の色が鮮やかでつややかなのに比べ、4では気泡が混入しており、表面がざらついた感じである(保存状態はほとんど未使用状態なのにもかかわらず、である)。 赤い七宝についていうと、2では透明度が高く、わずかにオレンジがかった赤色である。4ではより赤の色が濃く、濁った色合いである。細かな気泡の混入も認められる。青い七宝は、2では不透明の鮮やかなブルーだが、4ではざらついた半透明で、下にかすかに放射状の線が透けて見える。 中央の金星は、2では金メッキが摩耗しているものの、シャープな星形をとどめているのに対し、4では別パーツとなっていることもあって、丸みを帯びた星形である。 |
|